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東方同人誌感想とか書いてみよう 1233冊目

びろうど廻廊さんの『幻実と現想のためのphantagraphs』

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蓮子とメリーが町を彷徨う本。

 

この本の特徴はなんといっても写真に二次元の蓮メリ絵を乗っけている事にあって、これがすごく良い雰囲気を出している。ただ単に写真に絵を貼り付けるだけではなく「秘封倶楽部っぽい写真」、「秘封倶楽部っぽい文章」を使っているところが素敵。

この写真の先には何かがきっとあって、その何かを探しに秘封倶楽部の2人が他愛もない会話を本文以外のところでもずっとしてるんだろうなぁ。って思えてくる。夢か現かわからなくなるようなメリーの言葉回しも面白くて、現実の写真を使っているはずなのにどこだかわからない世界を見ている感覚になるよ。

読書感想

 ジャック・ヴァンスの『宇宙探偵マグナス・リドルフ』

宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)

宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)

 

 宇宙を股にかけて、いろんな揉め事を解決していく老人哲学者、数学者、あるいは探偵なマグナス・リドルフを主人公にした短編10作品。

 

ジャック・ヴァンスの面白さはキャラの良さだと思う。石黒正数のこの表紙もまた似合ってる。この主人公マグナス・リドルフも物腰は丁重ながら自分に危害を加えたものは依頼者だろうと絶対に許さないような陰湿な性格のキャラで、暴力を使わないあたりがまた性格の悪さが滲み出ててとても良いキャラだと思います。

収録されてる短編もまっとうなSFミステリーっぽく犯人探しを主眼としているっぽい「禁断のマッキンチ」「とどめの一撃」「呪われた鉱脈」のような短編から、リドルフが相手を出しぬく事を主眼としているっぽい「ココドの戦士」「ユダのサーディン」みたいな作品まで色々。

出て来る星も常に闘争をしている民族を眺めて賭けをする星から作業員達が消える謎の星から多種多様だし飽きないような構成になっている。魅力的なキャラと魅力的な世界観がジャック・ヴァンスの面白さだよね。月並だけど。

 

さて、この作品集はキャラと世界観の面白さ+ハッタリにしか思えないトリックの説明があると思う(この謎解き要素があるおかげで逆にごちゃごちゃ感じられて魔王子シリーズのがよっぽど面白いって人もいると思う)。SFミステリーなんだしトリックの説明はツッコミどころ満載であんまり考えちゃいけない、というかそこまで含めて楽しむような本ですがやっぱり気になるよね。

 

以下気になる点の紹介。ネタバレなので一部反転。みんな読んだら気になったよねやっぱり?(しつこい)

 

・「呪われた鉱脈」の犯人

とある星で行われる連続殺人、密室やシャワールームでも作業員が1人になった途端殺されていく。この星には作業をしている人間以外に知的生命体はいなくて……

 

犯人は十分な知的レベルのある樹木で、根を好きなように伸ばせるので換気口や排水口から殺人が実行可能。この星にやってきた人間の言葉を数ヶ月で理解できるレベルのち生がある………ってもうこれが通用するならなんでもありになるけどまぁSFってなんでもありですしね。。

 

・「数学を少々」のアリバイトリック

 

13日間かけてじゃないと行けない航路を12日で行ったリドルフのトリック

 

宇宙の航図はメルカトル図法で描かれるので、非常に長い宇宙の航路では湾曲が生じている。古い宇宙の航図はこの方式が採用されているので距離計算も13日になってしまう。しかし、最新の数学を用いれば12日に短縮できる。

 

メイの方の方法はまぁ考えつくトリックだし、3行で説明されてる。リドルフのトリックってこの説明めちゃくちゃだよねこれ。宇宙の航路がそんなガバガバ計算で成り立つ世界がこんなに発展してしまうのか、とかメルカトル図法をそのまま宇宙に適用するとかできるのかとか、色々出てきてバカSFにしか見えない面白さがある短編。

 

他にもいろいろとツッコミどころ出てきそうだけども、まぁそういうの深く考える短編集じゃないし、何も考えずに読んだ方がやっぱり面白いね。

東方同人誌感想とか書いてみよう 1232冊目

ほろなべ軒さんの『六畳一間 天球儀』

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霊夢のところに星が見える装置を持ってきた魔理沙な話。

 

小説、というか絵物語っぽい形式をとってるれいまり本。

霊夢にプラネタリウムで星を見せて…それから……みたいなシンプルな筋の中にれいまりの良さが色々と入ってるような作品。

魔理沙の行動は途中で上手くいかなくなるし、霊夢はそんな魔理沙をそれとなく慰めるし、最後は2人できちんと星空デートに行く事になるし……でちょっとした話だけでも色々と2人の関係性を楽しめるかられいまりは良いよね。。

東方同人誌感想とか書いてみよう 1231冊目

サカナキドリさんの『にとしず』

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にとりと静葉がのろけるだけの漫画。それに雛も。

 

ちょっとした会話だけで、お互い照れるような初々しいにとしず2名を見てにやけるような本。絶賛にとりに片思い中の雛は2人を邪魔するというわけでもなく……ちょっと間に入るだけ。。ってのがまた可愛い。この雛ちゃんはにとしずに比べてちょっと性格悪そうなところがまた良かったり。

東方同人誌感想とか書いてみよう 1230冊目

あみだ屑さんの『砂上の楼閣』

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嫦娥とその息子穢れを月に持ち込もうとした罪で投獄されてしまう、夫の羿はそんな2人を……。

 

紺珠伝の元ネタの中国神話をベースにしている話でもあるし、紺珠伝の設定もベースにしている話でもある本。要するに作者オリジナル解釈がかなりはいっている本。なので中国神話の予備知識はそんななくてもいいかも……しれない。

羿を家族より任務を優先したかのような冷徹な悪役にしているのはオリジナル解釈っぽいし(実はよく知らない)、それに純狐が怒って不完全だった能力が完成して、ヘカーティアが出てきてみたいな一見無理やりにも見える筋がなんとなくありそうにも見えて面白い本。この先月のみんなはひどい目にきっと遭うんでしょうね。。

東方同人誌感想とか書いてみよう 1230冊目

Personal Colorさんの『あつい目蓋の裏側』

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風邪ひき蓮子をメリーが介抱する話

 

体調不良でちょっと弱々しくなった蓮子をメリーが面倒見て……。って話で蓮子のメリーへの甘え方が子供みたいで、でも決していちゃいちゃしてるとかそういうレベルでもなくて……。みたいな2人の距離感覚が楽しめる本。やっぱり蓮子の方は子供っぽいよね。。

ちゃっかりと違和感なく蓮子の能力のオリジナル解釈も挟み込んでいて、この解釈もまた素敵。

東方同人誌感想とか書いてみよう 1229冊目

青さんの『東方青帖 をわるゆめ─終幕』&『東方青帖…ん!?』

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『をわるゆめ─小序』の続き。もう先が長くない紫と幽々子の話……では始まらず紫と藍の最後の触れ合いが始まるような本。そして『あかときの桜』~ほぼあいうえお順に続いてきた東方青帖最終章。2冊セットになっていて、どっちの感想も。

 

・(『をわるゆめ─終幕』の感想)

これ以前の『わくらばコトハ』あたりからずっと、キャラ同士がいちゃいちゃして、関係性も夫婦みたいになってる作品が多くなっていて、世界観もなんとなく繋がってそうな話になってた気がする。そしてこの巻の最後の章題『をわるあかとき』というタイトルで最初の『あかときの桜』(まぁ青帖シリーズはこれ以前の巻もありますが…)に戻ってくる演出がまた。。これだけ長い時間をかけた本でゆかゆゆに始まりゆかゆゆに終わるってのは作者さんのゆかゆゆ愛を感じられる。

この『終幕』だけ読むと藍と紫の親子みたいな関係の方が印象に残る本ですが(最後の最後に甘える藍の可愛さ)、やっぱりこれはゆかゆゆ本だよ。最後の8ページのために今までの全部があったと思うとすごい良い終わり方。。。これ以上ないハッピーエンドのゆかゆゆ。



・『…ん!?』の感想

委託店舗のとらのあなで買ってもこちらのおまけ冊子がついてくるという徹底具合。あくまで「1巡目」が終了で「2巡目」の始まりが垣間見えそうな話。今まで一度も見たことがないこの作者さんの蓮メリが見られるってだけで貴重ですよ。他のカップルに違わずいちゃいちゃしている蓮メリが読めます。ちょっとした会話だけでも見えてくる仲睦まじいカップル感。このおまけ冊子があるおかげでシリーズ終了という寂しさもなく次に期待ができるようになってるよ。

 

・前にまとめた東方青貼シリーズのカップリングリストです。手に取る参考に。。。とはいえ総集編が再演しかないのであれですが。。

hanbunningen.hatenablog.com