東方同人誌感想とか書いてみよう 133冊目
Rhythm Fiveさんの『稗田文芸賞メッタ斬り!』
大森望・豊崎由美の『文学賞メッタ斬り!』を東方キャラ、東方の世界観でやってみようとかいう作品。レムの『完全な真空』のように作中の小説を徹底的に架空の書物として構成していてこう徹底的な悪ノリは好き。でもそういや『文学賞メッタ斬り!』読んでないから書式はどこまでが元の本のパロディか分からない。
第二回は書評欄→選考委員の選評。第三回以降は霊夢と萃香による受賞予想→パチュリー、紫、文、阿求による選評→選評に対するコメントという形式で稗田文芸賞候補作について語られる。その中で小説のあらすじや形式が紹介されるのだけどこれがそれぞれのキャラに見合った感じの小説として構成されてて面白い。
これは候補作のタイトルを見てもらった方がどういう感じで構成されているかわかりやすい気がするので長くなるけど下に転載↓
第ニ回 稗田文芸賞候補作
ミス・レッドラム『ナイトメア症候群』
門前美鈴『龍華伝』
十六夜咲夜『クロック』
西行寺幽々子『桜の下に沈む夢』
白岩怜『氷の王国』
第三回
上白沢慧音『満月を喰らう獣』
虹川月音『憂鬱ラプソディ』
霧雨魔理沙『星屑ミルキーウェイ』
八雲藍『猫のための方程式』
第四回
ミスティア・ローレライ『夜に鳥籠の鍵を』
門前美鈴『紅の血脈』
虹川月音『レインボウ・シンフォニー』
マーガレット・アイリス『マスカレード・スコープ』
白岩怜『雪桜の街』
第五回
霧雨魔理沙『星盗人と鏡の国の魔女』
八坂神奈子『天照戦記 蛙は口ゆえに蛇に呑まるる』
大橋もみじ『うちの上司が横暴なんですけど』
河城にとり『キカイノコトバ』
秋静葉『落ち葉の季節に逢いましょう』
門前美鈴『華国英雄伝』
河城にとり『川の流れの果てる先』
大橋もみじ『白狼の咆吼』
因幡てゐ『幸運エスケープ』
風見幽香『優しい花を咲かせましょう』
水橋パルスィ『さようなら、恋』
第七回
風見幽香『輪廻の花』
マーガレット・アイリス『人形の森』
米井恋『インビジブル・ハート』
船水三波『幽霊客船はどこへ行く』
小松町子『そして、死神は笑う。』
厄井和音『不幸のシステム』
これ結構元ネタの小説もあるしそれぞれきちんと紹介しているのがやっぱりいいね。
”幻想郷で文芸賞を作ろう”っていう悪ノリしている部分が全く原作関係ない気がするけど、二次創作なんだからここまで好きにやってくれた方が面白いしね。
でも公式設定である魔理沙が書いた『グリモワールオブマリサ』のがこの中の本よりもよっぽど悪ノリしている本の気がする…(むしろあのアイデアを誰も同人誌で描かなかったのが不思議、って最近思い始めた)
東方創想話において第七回と第八回が読めます。こっちだと本には収録されてない”架空の東方キャラの著作の表紙”が見られる。
それ以降も読めるけどそれは次の本の収録分なのでまたあとで…。