東方同人誌感想とか書いてみよう 931冊目
矢ハイさんの『博麗霊夢であるということ』
霊夢が神社で見かけた不審な存在、色々と調べていくもそれの正体ははっきりと分からない。早苗はそれをドッペルゲンガーなのではと言い、紫は……。
読んで3ヶ月くらいたって何回か読みなおしてようやくちょっとした感想が書けるようになったので書きます。以下ネタバレなので反転
こういう話はドラえもんの「無人島へ家出」みたいに”なんかおかしくない…?”と設定(霊夢についての時系列ははっきりと流れが引けるけども紫は………?ってなる)について考えこんでしまうものの、これについては深く考えないように割りきって霊夢の生きかた、選択や紫の気持ちについてだけ考えた方がすっきりする本だと思う・・。
霊夢はこの先に苦難があろうともそれに立ち向かうために”博麗霊夢であるということ”を選んだのじゃなくて、”他に今更生きかたを見つけられない”からこういう選択をした風に見える。
どんな人生だろうと決められた役割をこなす以外の人生を想像しているように見えない霊夢はものすごく不器用で、すごい霊夢らしい。のだけどもそこに救いがあるのかというと………?ともなる。
”博麗霊夢であるということ”を選んだ先には今の状態の霊夢では耐え切れずに壊れてしまうような未来も想像できてしまうんだよねこれ。”博麗霊夢”の役割のまま魔理沙や小鈴を監視してその先は……?とか考えるとね。だからこそ紫は別の人生もあるよ、って選択を霊夢に提示したわけだろうし。霊夢は結局、人生を見つめなおすというよりも、そういう事を拒否して今までのまま生きる事を選択したようにも見える。
強制ではなくてあくまで霊夢の意思に任せたのは紫の優しさなのか、それとも”霊夢はきっと博麗霊夢であるという事を選ぶ”という事を確信してたのか……。たぶん両方の感情があったからこそ紫はこんな回りくどいやり方としたとも思う。
そして”紫がこういう事をした理由”についてはっきりとした答えを見つけられない霊夢はすごい人として不器用でもあり、可哀想でもあり……。
たぶん違う日に読んだらまた違う感想が出てくるけども今のところはこんなまとまりのない感想です。普通の少女として生きられない霊夢さんのお話。