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東方同人誌感想とか書いてみよう 214冊目

ヘルメットが直せませんさんの『某季某日、博麗の巫女が死んだ』

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霊夢魔理沙、香霖のシリアスもの。

例大祭新刊なのにpixivで本編をほとんど公開しているという作品。

ただしエピローグ全編は本でのみ読める。このエピローグまで読んでちゃんと意味が伝わる作品。

【東方】「例大祭新刊『某季某日、博麗の巫女が死んだ。』本編+エピローグ冒頭」漫画/ヘルメットが直せないリコ二等兵 [pixiv]

 

以下ネタバレっぽいし反転

 

鈴奈庵25話の”人間から妖怪になる事は大罪で殺さないといけない”という設定から発展させた作品。魔法使い(妖怪)になる事を選んだ魔理沙、そうなった魔理沙を退治しないといけない霊夢、それを黙って見ていた(つまり魔理沙の側に立った)香霖。

前に感想を書いた『夜明けのアネモニー』ではそれでも魔理沙を退治しきれない霊夢を描いた作品だけどもこれはれいまりの決定的な断絶を描いた作品になっている。本編では霊夢魔理沙に容赦しないし、エピローグでは結局魔理沙霊夢に容赦しなかった事が分かる。

本編とタイトルがミスリードになっていて”魔理沙は自分を退治にしてきた霊夢を殺してしまったのでは?”となるものの最後の方で霊夢は生きている事が分かる。でも”博麗の巫女としての霊夢”を死なせたのは魔理沙である事は変わらないしそういう意味でも結構つらいれいまりもの。霊夢魔理沙どちらかが死ぬような二次創作は多々あれどもここまで深いお互いの断絶を描いた作品はなかなかないのでは。こういう話の元になってしまう鈴奈庵25話の罪深さ…

 

一応最後はそこまで暗くならないように、霊夢魔理沙がそれぞれ笑う表情があるものの”魔理沙は笑顔を霊夢に見せた”けど”霊夢は笑顔を魔理沙には見せてない”し”腕使えないから"と魔理沙達には言っているのに”最後のページでは腕を広げている”。

最後の方は人によって解釈がたぶん分かれるところだと思うけども、自分はもう霊夢が普通の人間と生きていくし魔理沙達とはきちんと関わる気がない。だから今まで見せてたような表情も自分の情報もきちんと伝えなかった。っていう事だと思ったしそういう意味で本編にあった直接的な断絶が描かれる本編部分よりもつらいものがあると思う。エピローグは他の人の解釈も見てみたくなるね。

 

鈴奈庵25話の設定、単行本化されてない時点でもいろいろと面白い二次創作作品が出ているわけで単行本化したらもっと出てくるのかなぁと期待してしまう。個人的には霊夢に退治されるとわかりつつも魔法使いになろうとする魔理沙の内面を深く描いた

 ものとか出て欲しい(もうあるのかな?)