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マーガレット・アトウッド『侍女の物語』

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

侍女の物語 (ハヤカワepi文庫)

男はセックス・マシンなのです、とリディア小母は言った。それ以上のものではありません。彼らはひとつのものしか求めないのです。あなた方は自分の利益のために、彼らを操る術を学ばねばなりません。彼らを餌で釣って思いのままにするのです。これはあくまで比喩ですけど。それが自然の理なのです。神の計画なのです。それが物事の本来の姿なのです。

女性の権利の弾圧される近未来を扱ったディストピアSF。と紹介されることが多い本。
淡々とした展開で残酷なシーンもほとんどないのに全体にすごい息苦しい空気があったりする。ゆっくり読むつもりが最後まで一気に読んでしまった。

けど、僕はこれを”ディストピアSF"として読むのはなんかあれだなぁと思ったりする。ディストピアSFじゃなくて現代の女性蔑視社会の批判なのでは?と思ってしまうわけで。現実にはこんな風に女性が虐げられる世界だった存在するでしょう。いまでも。ちょっと前にネットで広まった”レイプされた少女が石打ちにされて殺される映像”とかがあるのを見るとね。。日本でだって”男にはどうせこの程度に思われてるんだ”って思う女性だってきっといるはずだし。。
もちろん、だからといってこの作品の魅力が落ちるわけではないんだけどね。