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東方同人誌感想とか書いてみよう 1153冊目

Alyaさんの『カラーバー・イン・ザ・ブラックボックス』

 

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私は地下室に住んでいる。ここ酉京都という世界でも指折りの人為的な都市の片隅に住んでいる。人為的な都市の片隅に住んでいる。人為的とはつまり、人間に最適化された楽園ってコト。こんな場所に住むには、大した意識は必要ない。何故ってここは人間でさえいれば、自分がどう考えていようとも、法律とか道徳とか自治会の決まりとか?そういう大多数が決めたルールに従う頭があれば幸せに生活できる。

では何故私は地下室という引きこもりが夢見るような部屋に住んでいるのか……?

答えは単純にして明快、私が地上に住むことに向いてないから。地上に住めない存在は近いに追い遣られるのは基本でしょう。

 

『地下室の手記』のあのねじくれた主人公をそのまま蓮子に置き換えた作品と思ったら……

 

以下ネタバレなので反転

 

ネカフェで創作をしようとする蓮子/その蓮子が創作をしている「地下室の手記」風な自伝小説という二重の構成になっている作品。リーザをメリーに、ズヴェルコフを岡崎助教授に置き換えてる。「地下室の手記」を読んだか読んでないかできっとここはかなり印象が変わるはず、読んでいるならこの先蓮子がどうなるか、メリーや岡崎助教授達がどうなるかをだいたいわかりながら読めるので自意識過剰な蓮子を見て本来はつらくなりそうな部分もにやにやしながら読む事が出来るしね

 

というふうに進めていって”蓮子が創作していた小説は紫達がやっていた演劇であり蓮子は全く創作が出来てなかった”というミスリードが入っている。

上海アリス幻樂団の次に原作表記があるドストエフスキーの原作では「地下室の手記」の主人公はあの作品の後でどうなったのか?が描かれずに終わるわけだけども、これではかなり偏屈な形であれども蓮子が一体最後にどうなるかがしっかりと描かれている。それはきっとこの小説を読むみんなの予想通りで残酷な話で……。

結局蓮子は「地下室の手記」の主人公ですら書けていた手記すら書く事ができなかった……とも考えるとねぇ。

 

R18表記なのは蓮メリが寝る描写があるからで、この部分だけ読むとちょっとひねくれた蓮メリ性描写として楽しめるよ。ここもまた最後につながってるわけですが……。

 

 

 

これ読んだらドストエフスキーを読み返したくなったので、近いうちに何かの感想を書こう(たぶん)

 

そういえば、地下室の手記はプロジェクト杉田玄白で全訳したのが無料で読めたはずなんですが、niftyから消えてるのでインターネット・アーカイブの方を貼っておきます。米川正夫訳が早く青空文庫で公開されないかな…・

地下室の手記