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読書感想 『小説の家』は装填好きのための本?それとも単なるお遊び本?

読書

 『小説の家』の感想を適当に

小説の家

小説の家

  • 作者: 柴崎友香,岡田利規,山崎ナオコーラ,最果タヒ,長嶋有,青木淳悟,耕治人,阿部和重,いしいしんじ,古川日出男,円城塔,栗原裕一郎,福永信
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: 単行本
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もともと美術手帖に連載されてた企画で、美術出版社が民事再生法を適用した事で宙ぶらりんになってしまったものを新潮社が拾ったアンソロジーです。美術手帖連載という事で単純な枠組みの小説ではなく、紙や表現方法にこだわった作品ばかりが集まったアンソロジー。特に目をひくのが阿部和重の「Thieves in the Temple 」

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こんな感じで真っ白に近い紙でまともに読めない。『きのこ文学名作選』にも光をかざして読めない作品が収録されてたけどもあれは「既存作品があって、それにふさわしい装填を後から考えた本」であってこの本のように「装填と作品を同時に成り立たせる事が前提で作られた本」とはまた違うと思うんだよね。円城塔の「手帖から発見された手記」みたいに段々と模様に侵食されて文字が読めなく短編もすごい円城塔らしくて面白い(こちらはスキャンするのめんどくさくなったのでナタリーより引用)。

他にも色々とこだわった作品があって眺めるのは楽しい本だよ。

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さて、装填だけ語ったけども、福永信編で、円城塔、青木淳悟、古川日出男etcみたいな面子を見るとこれはきっと面白いんだろうなぁ……。という期待が持てるアンソロジーの割には中身の方が……あんまりってのが多いんだよね。あんまり話題にされてないのも中身が……ってせいかもしれない。4100円って値段のせいかもしれないけど。

 

美術手帖連載企画というせいか創作をテーマにしている作品が結構多くて、それはまぁ構わないんですが、どれもこれもなんか報われない創作、みたいなテーマに見えて装填や形式に凝ったあまり……って思っちゃうんですよね。長嶋有のやつなんかすごい滑ってるような気もしたし。

なんかやってる事はすごい面白いのに中身がついていってないような感じがしてすごい勿体無いアンソロジーなんだよね。これは全てが名作になんてできるわけない新作収録アンソロジーの宿命の気もするけど……。とはいえ1/3くらいは装填も中身も面白いアンソロジーだったのでこれ以上を望むのは酷かもしれない。そんな本。

 

 

そういや装填を話題にしたい本といえば『紙葉の家』なんかも一部で話題になっただけであまり広まってないよね。。あれは値段が高すぎたってのもあるけど……そのうちこれの感想も書こう。。かな。。