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読書感想 ユートピアのなれの果ての話

というわけでナウル共和国について書かれた本の感想 

ユートピアの崩壊  ナウル共和国―世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで

ユートピアの崩壊 ナウル共和国―世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで

 

 

ナウル共和国についてはwikiを見ればその凄さがわかるので、これをまず引用。

かつては漁業と農業で生計を立てるというミクロネシアの伝統的な生活スタイルであり、貧しいながらも貧富の差もなく温和な生活を送っていた。しかし20世紀初頭から開始した鉱石の輸出によってオーストラリアとニュージーランドを除くオセアニア諸国のなかではもっとも経済的に繁栄し、特に1960年代後半から本格的なリン鉱石の輸出によってもたらされた莫大な収入でレンティア国家となり、国民の生活や文化を大きく変化させた。

最盛期の1980年代中頃には世界で最も高い国民所得を誇っており、国民は完全な無税医療教育も無料である他、莫大な収入を財源に全年齢層に年金が支給されていた。当時は、ほぼすべての食料品と工業製品の調達はもちろん、政府職員を除くほぼすべての労働者も中国や近隣のミクロネシア諸国から来た出稼ぎ外国人に依存しており、貿易依存度は輸出、輸入とも110%という値だった。また一本しかない島の道路には採掘権で富を得た者が持ち込んだフェラーリベンツなどの高級車が走っており[2]、食事も労働者相手に店を出した中国人のレストランで三食済ますといった生活だった。

このような単一の資源産業に依存し、大半の国民は働く必要がない状態が長期間続いたことは、後に問題を深刻化させることになった。

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1990年代後半からリン鉱石採掘の衰退による経済崩壊と財政破綻により、電力不足や燃料不足、飲料水不足が深刻化し、以降は諸外国からの援助が主要な外貨獲得源となっている。

2007年に日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』が「地球の歩き方」のナウル版を制作する企画で取材班が訪れた際には、日中の街中を無為にうろつき回る多数の島民の姿が映し出されていた[3]。これは1世紀近くにわたり、働かずに収入を得ていたため、ほとんどの国民が勤労意欲以前に労働そのものを知らないためである。取材班が訪れた当時は、政府が小学校の高学年で働き方を教える授業を行い、将来の国を担う子供たちの労働意欲を与えようという対策がなされていた。しかし、鉱業だけに頼る産業構造だったため一定規模の民間企業が存在しないこと、インフラ整備が後回しにされていること、国民の勤労意欲が極端に低いなど悪条件が重なっているため、現地での起業も外国企業の誘致も進んでいない。外務省の情報では、日本からの民間投資は存在しない。

また子供の頃から働いたことのない成人に関しては何の対策も施せない状況が続いており、平日の昼間にうろついていた成人男性らに「なにをやっているのか」と前述の取材班が質問すると「何にもしていない」「魚釣り」「暇だからバイクで島を一周していた」など危機感のない返答をしていた。上記の通り、ナウルでは歴史上、国民が「自給自足で暮らす生活」・「つらい労働を強いられる生活」・「遊んで暮らす生活」しか経験したことがなかったため、「働いて給料をもらい、その金で生活をする」という概念が無いのがそもそもの原因である[4]

2011年の統計によると、島内の失業率は90%に達しているとされる。

 

……………一体なんでこんな事になってしまったのか? これからどうなっていくのか?を本ではwiki以上に丁寧に書いていって面白いよ。いや、これを面白いと言ったら語弊があるのかもしれないけど、働かずに暮らせるくらい繁栄してた国が、後先を考えずに生きてきた結果、どうにもならなくなり最貧国に転落してしまう。っていう現代の寓話でもあると思う。

 

でも、「リン鉱石がとれなくなるのはわかっていた」ので「投資はされていた」みたいなんだよね。政府は無計画になくなるまで使っていたわけじゃないみたい。ただその投資先がわるい人たちばかりで人を疑わずに信用してお金を突っ込んだばっかりに……。結局結果がこれなんだから一緒だよね。

 

そしてこの崩壊後のナウルの顛末がまたいろいろな国の思惑が出てきて…ねぇ。

こんな国でも利用価値を見出して散々利用しようとするわるい国があるってのはいろいろと業が深い。

 

・鉱石資源がとれなくなったナウルは国が偽造パスポートを発行するなど闇の資金源を手に入れようとする。タックスヘイブン化で切り抜けようとしたわけです(外圧がかかってこれは頓挫)

・オーストラリアは難民をナウルに押し付ける変わりに支援を約束し、難民がナウルに送り込まれる。難民達はナウルという聞いたこともない国に行く事になり精神状態が悪化した顛末が本には書かれてる。

・日本は捕鯨を支持してもらう(IWCで支持に1票を入れてもらう)ために、ナウルに支援を行う。

 

……なんか自分が住んでいる国の名前が出てきてる気がするけどたぶん気のせい。

本では「リン鉱石がとれなくなった」だけ「枯渇したわけではない」事が暗に示されて、その資源をとるために頑張ろうとしている人たちを描いて終わってるけども、実際にこの後はどうなったんだろうね。。ニュースでもナウルの事なんて全く聞かないから全く変わってないかもしれない