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東方同人誌感想とか書いてみよう 1006冊目

俄雨さんの『阿求考』

 

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俄雨さんの作品の面白さは、決してメインとは言えない考察の類をきちんと面白い物語として構成していて”この考察もひょっとしてありじゃない?”と思わせてくれるところ。これなんかは全く考えてなかったような視点からガツンとやられるので面白いよ。

この作者さんはあまり本が手に入らないよね…と思ったら創想話とかで結構公開してるのね…ますます二次創作漁りの深みに嵌りそうなので嫌でわざと見ないようにしてたけどもここも漁るべきかな…

ホームページにて公開されてるのでどうぞ。

基本的に後ろめたいブログ 阿求考

 

あと咲夜考もホームページで公開してるのを知ったので後で読みます。。

活性 此花

 

以下ネタバレなので反転

阿求(というか転生前の阿求ね)は妹紅の母親、という一見突拍子もない設定から紡がれるあきゅもこ話。

妹紅にお母さんと呼ばれる阿求はそれに関する記憶が無く、”ありそうかもしれない話なので無碍にするわけにもいかない”というような感情から仮初めの親子生活を営み始める前半は別に暗い展開というわけでもないのに、誰も救われてないような気がして痛々しい。すごい歪な親子関係になってるんだよねこれ…。そりゃあ阿求のあの姿でお母さん役をする事にも無理があるしね…。

 

ここから打って変わって後半部は映姫も”元は阿求の子(阿子)であり妹紅の姉妹”というさらにぶっとんだ解釈が出てきて、前半部で語られなかった設定の部分も回想という形で明かされていく。この回想部分があるからこそ、一口語っただけではとんでも解釈として一蹴されそうなこの話が成立していると思う。

(優等生であるが故に、自分の方を妹紅よりも見て欲しかった阿子。でも妹紅と阿子は2人で1つなので、それを望んでいでも決して叶うことはないと諭されるところは映姫になってからの性格形成にかなりの影響がある気がする…)

 

そしてそんな性格も生い立ちも公式設定上は全く違った3名を強引に血筋で繋げて、暮らし始める最後。みんな楽しく元気にハッピーエンドとはとても言えない雰囲気だけども、これで1つの呪縛からみんな解放されたと思うのならこれはこれでいい話なのかもしれない。。