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読書感想

ミハイル・エリザーロフの『図書館大戦争』

図書館大戦争

図書館大戦争

 

 

 作家グロモフが残した本(力の書、権力の書、憤怒の書、忍耐の書、喜びの書、記憶の書)を特定の条件下で読むとその書に見合った力が手に入れられる。その事を知った人たちは秘密裏に本を収拾し、時には血も流れるような奪い合いをして、まだ誰も見つけてない意味の書を探し求め…。

 

図書館大戦争 :ミハイル・エリザーロフ,北川 和美|河出書房新社

出版社HPのあらすじにもあるようなインテリによるグループ、刑務所にいた人々のグループ、老人ホームにいた人々のグループが本による効力を使って血なまぐさい抗争をする話…というのは冒頭部だけでこの本の本質はそんな内容の本じゃないよ。この方向で延々とやってくれればそれはそれで面白いものになったのかもしれないけど。

 

各グループの成り立ちや本の効能が語られたと思ったら、いきなり1人の男にだけ焦点が当てられてそこからようやく話がスタート、するはず。。グロモフの本になんて興味もなかった男が流されるままに本の奪い合いの抗争に巻き込まれていく。この男の最後がそれはそれはロシアの小説っぽい最後で……。ね。

時代や環境にひたすら流されていき、自分では大した事をしてないまま周りがめまぐるしく変化していく…ってのはソ連崩壊後あたりを結局描いているような気もする。

他に何も希望がなかったようなソ連崩壊後のロシアで、本という希望を手にした人たち……。ってのだけ抽出すれば読書家のための本という読み方も出来るわけだしね。

 

とはいえ冒頭部の各グループの成りたりを描いたところがやっぱり一番面白かったので、もうちょっと何かあれば…みたいな気持ちは抜けないような本。面白かったけどね。

 

あ、あとこの作家検索するとギター弾き語りみたいな事もやっていて、いくつかYouTubeで見られます。ロシア語分かる人なら面白い。。。かもしれない。

www.youtube.com

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そういやなんでこんな某ライトノベルみたいなタイトルになったか……みたいな事は訳者あとがきに”紆余曲折あって…”と書いてあるのできっと編集の人となんやかんやしたのだろうと思う。まぁそういう内容の本と言えばそうだけども原題の『Библиотекарь(司書)』の方がぴったしのタイトルだしうーん……とも思う。こんなのに手を出す人たちなんてどうせソローキンやペレーヴィンが好きな海外文学オタしかいないんだろうしタイトルだけじゃあんまり売上変わらなかったような…気も。。。