スターウォーズ エピソード7/フォースの覚醒の感想 たぶんその1（ネタバレあり）
大幅にネタバレが含まれているので注意。ネタバレなしに感想は書けません。
ディズニーが作ってる、ってだけですごくいやーな予感がしてたけどもそれはまぁ杞憂に終わった。ってくらいの完成度だった。旧3部作が望んでいたものをしっかりと作ってくれたものになってる。旧3部作の1作目みたいな筋を現代的なキャラクターと懐かしいキャラクターに置き換えてそのように展開するというやり方。
孤独な若者が色々な人物と出会い、フォースを覚醒させて、悪い奴らと戦っていく。っていうようなみんながエピソード4で大好きだった設定をほとんどそのまま使っているので、これが面白くないわけがない。でもこのやり方って1作目だから出来ることだし、ただのエピソード4現代風リメイク映画じゃない……という批判もされるようなやり方でもある。みんなが望んでいるシーンを当たり障りなく作ってそれがきちんと出来た及第点映画、という印象。ソロのところだって4のオビ=ワンのところの変換にしか見えなかったし、そこまで叩くところでもない。まぁそれだけエピソード4の随所が素晴らしかったという事でもあるね、部分部分を取り出すだけでこんな面白くは普通はならないもの。
とはいえ8は5と同じような展開には出来ないはずだし（それをやったら流石に飽きるでしょう？）、このラストからどう広げていくのかは期待と不安がまだ残る。。
あとみんな”今までの作品へのオマージュが随所に見られてよかった”って言ってるけども新3部作の方のオマージュなかったよね？ミディ＝クロリアン設定なんか正史扱いなのに完全になかったものにされてるし（8と9でも出てこないでしょう）、いつ死んだのかよく分からないジャー・ジャー・ビンクスだって出てこない（誰も望んでないと思うけど…）。新3部作が好きというファンや新規ファンは置いてきぼりにして完全に旧3部作ファン向けに作られた映画、というのになってしまってるような。だからこそ面白くなってるわけでこれ以上どうしろと…ってのはあるだろうけどね。
あと個人的に不安だった”2014年以前の映画とアニメ以外を全部正史から外した事についてどうフォローするのか？”って事は”以前あった設定を少し拾ってきて完全には破壊しない、ただしオリジナル要素を多々入れるので展開の予測はつけられないようにする”っていうやり方で妥協してる。ソロとレイアの子供がダークサイドに堕ちるのは元からあった設定で(Darth Caedus)、パルパティーンの魂は復活しないし(
10 ABY )、”フォースが効かないやつ（ユージャン・ヴォング）が外宇宙から攻めてきた！！”っていうインフレ設定も存在しなかった事になってる。
今のところは。
以前あった正史からある程度今後の予測も出来そうだけども、どうかな…。
フィン、レイの黒人&女性の主人公コンビは公開前から#BoycottSTARWARSVIIが作られるなど一部ファンが暴れてましたが、ディズニーだし現代に置き換えて作ったならそこまで違和感はないよ。フィンもレイも今までのシリーズにはいなかった性格で、これがまた現代的な逃避する若者っぽい。
そしてこの”現代的なキャラクター”として一番良く描かれるのでカイロ・レン。今までの悪役のように絶対的なオーラが無く、弱々しくて癇癪持ちの若者。というスターウォーズの中では新しいタイプの悪役になってる。もうカイロ・レンはどう動こうとも、結局はスノークの意思で動かされてるんじゃ…？って思うくらいに自分で動いてないように見える。気に入らない事があると物に当たり散らすし……。とてもフォースを上手く扱っているようには見えない人物じゃない。フォースをよく知らないレイに負ける？し。
物には当たらずにすぐに部下をフォースで粛清したダースベイダーよりマシなのかな…。
カイロ・レンがソロを……してから、フィンに”TRAITOR!！！（裏切者！）” と叫ぶところ。この前にソロに言っていた台詞” I'm being torn apart. I want to be free of this pain. I know what I have to do but I don't know if I have the strength to do it. Will you help me?”（どんな訳がついてたかはっきりと忘れた、辛いんだ、この痛みから逃れるために助けてくれる…？って感じっだっけ）
やダースベイダーのマスクに独白する Forgive me. I feel it again... the call from light. Supreme Leader senses it. Show me again the power of the darkness, and I'll let nothing stand in our way. Show me, grandfather, and I will finish what you started.（ライトサイドの誘惑負ける自分をお許し下さい、ダークサイドの力を下さい。 偉大なる祖父（ダースベイダー）よ。みたいな台詞）
と比べると本当に優柔不断でダークサイドにもライトサイドにも行けないような中途半端な人間で、そもそもカイロ・レン自身が”新しいジェダイを育てようとしたルークを裏切った裏切者”だと思うとなんかカイロ・レンの苦悩が垣間見える台詞だと思う。組織を裏切る事も出来ず、以前の繋がりを断ち切る事でようやくダークサイドへの一歩目を踏み出そうとした。みたいな。そして、組織を裏切り新たな道へ進もうとしているフィンへの嫉妬も混じった台詞だとも思う。。
もうなんか嫌う人は徹底的に嫌う悪役でベイダーほどの人気は出ないと思うけども、この弱々しさがある悪役って日本人にはきっと受けるんじゃないかな？ 自分は好きだよ。まぁ8以降で成長するのかもしれない。
本編では各キャラの設定などもほとんど明かさずに終えたので、考察、疑問点などは多々あるものの長くなったので次の記事で……。
映画を見た人への参考になりそうな記事
・IMDbに印象的なシーンの台詞がすでにまとめられているので気になった部分があった人はそこを見返してみよう
・MTVサイトで”ここはどういう意味だったの？”という疑問点が簡単に解説されてる。
考察勢は参考にしてみよう。
