東方同人誌感想とか書いてみよう 776冊目

赤色バニラさんの『友達なんかいらない』

現実の世界で

いてもいなくても

変わんないような人が

幻想郷でなら

友達を作れるって

本気で

思ってるんですか？

現実の世界で優秀が故に周りと上手く関われない（と本人は思っている）菫子。夢で見た幻想郷の中で菫子は早苗と出逢うものの上記の台詞で挑発されて…

赤色バニラさんって最近になってますますちょっと黒い気分になれる女の子同士のかけあいを描く本が多い気がする。もっとこの路線を読みたいよね。居場所を見つけた女の子と見つけられない女の子の話。表紙の表情の差が全てを語っている気もする。

早苗さんの台詞は本人は勝負をしたいが故のちょっとした挑発のつもりなんだろうけども、菫子にとってはきっとすごく刺さる台詞で……。まぁ『だいちこく』の早苗さんとこの早苗さんが繋がっているのなら、夢の世界で幻想郷に来て好きな時に戻れる菫子に色々と言いたくなるのもわかるよね…。

そしてまともに言い返すことも出来ず、勝負にも負ける菫子だけども負けたからこそ良かった気もする。

あとこれ”蓮メリの世界”も菫子の夢として解釈しているのでこれもまた面白い。この本だと”菫子の世界””蓮メリの世界””幻想郷”の少なくとも3つの平行世界が存在する解釈になっている（よね？）