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おすすめサイレント漫画。みたいな。

メビウス

前の記事でサイレント漫画合同誌の感想を書いてたら書きたくなったので。

東方二次創作で稀によく見るサイレント漫画だけども、プロの方の作品ではあんまり見ないサイレント漫画というジャンル。定義もかなり曖昧で擬音はあっていいのかいけないのか、コマ割がないものはいいのか、みたいな事を考えていくときりがないようなジャンルでもあるはず。

あと、本来はたぶんきっと1コマ風刺漫画から発展したジャンルだとも思うし(最近出た『万国風刺漫画大全』がほしいけど高すぎて手が出せない)、色々と辿るときりがないし、奥が深いジャンルでもあるし面白いのも結構あるよね。という事で定義をあまり考えずにおすすめサイレント漫画を紹介してみよう。みたいな記事。

 

白土三平『サバンナ』

サバンナ (小学館文庫―神話伝説シリーズ)

サバンナ (小学館文庫―神話伝説シリーズ)

 

 

サイレント漫画の最高傑作。と聞かれたらどうしてもこれをあげてしまう。擬音もあるし、ナレーションだって存在するのでサイレント漫画として認めない人もいるだろうけども、そんな定義は置いておいて傑作だよ。ラストの意味のわからなさまで含めてね。

大多数の人間対恐竜の戦いを描いた漫画で、ひたすらに人間が一匹の恐竜によって蹂躙されていく。人類が知恵を尽くそうとも、次の段階へ進化しようとも全くなすすべがない。おそろしくな緻密な書き込みから感じられるこの絶望感は他の漫画でもなかなか味わう事が出来ないはず。

 

高橋葉介の諸作品

 たまーにサイレント漫画作品を描いている高橋葉介。夢幻紳士でのサイレント漫画よりも学校怪談でのサイレント漫画のが好き。学校怪談だとギャグっぽいのもあるしちょっとグロテスクなのもあるよね。

 

石ノ森章太郎『ジュン』

ジュン 1: 章太郎のファンタジーワールド ジュン

ジュン 1: 章太郎のファンタジーワールド ジュン

 

 

実験的すぎて手塚先生に酷評された(後に謝罪を受ける)。という話題だけが残っていて内容があまり読まれていないような気がするこの作品。漫画家志望の青年が一人の女の子と出逢う事で…という冒頭から始まる話で前半部は台詞があるものの後半部に至るとほとんど台詞がない観念的な世界になっていく。これはジュンの頭のなかの世界なのか、本当にジュンがこの世界へ行ったのかすら説明がないので今読んでもかなり先鋭的。でもこれを面白いととるかどうかは…。とはいえ色々と考えさせられる漫画である事は確か。

 

・ショーン・タン『アライバル』

アライバル

アライバル

 

文字なしでフルカラーで描かれた作品。漫画とはいえず絵本扱いする人の多いかもしれないけど、じゃあ違いってなんだろう?とも思ってくる本でもある。漫画の分類をしている人もそれなりにいたはず。

異国の旅へ到着した男が、そこで戸惑いつつも馴染んでいく話。これを一切の文字を使わずにすごい説得力を持って描く。細かい部分こそ人によって解釈が違ってくる作品だけども、大筋の印象は誰が読んでも変わらない作品だと思う。そこにこの作品の絵の凄さがある。

 

이기훈『양철곰 (ブリキのくま)』

싸니까 믿으니까 인터파크도서

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これはプラティスラヴァ世界絵本原画展の記事でも紹介したけどもう一度。

発展した近未来、人類は地球を脱出するもそこに残されるブリキのくま…という設定を表紙みたいに細部まで描き込んだ漫画。台詞が存在しなかったはずなのでそのまま日本で出版しても通用する本だと思うけどなぁ。だんだんと朽ちていくようなくまがまた悲哀を感じさせる。

 

メビウス『Arzach』

Arzach

Arzach

 

 

メビウスの作品は翻訳がちょくちょく出ているもののこれはいまだに翻訳がない。まぁ文字なし作品でファンはもう原書で買っているだろうから日本語版出しても…って判断なのかもしれない。ナウシカの元ネタともたまに言われる作品で、何の説明もなしに架空の世界、架空の動物が出てくる世界を味わえるよ。

 

メビウス『B砂漠の40日間』

B砂漠の40日間

B砂漠の40日間

 

 

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下書きも修正もなしの一発書きで、ただの一発イマジネーションだけでここまで仕上げた。というにわかには信じがたいサイレント漫画で全ての漫画家志望を絶望に追いやりそうな本。みんなもっとメビウス読もう?

 

 

・ほろこーすと風刺画コンテスト

http://www.historiography-project.com/iran/

この記事で紹介しなかったらどこで紹介するんだだろう。って事で無理矢理紹介。

欧米のイスラム風刺漫画に対抗してイランで主催されている漫画コンテスト、かなりブラックな内容が含まれているものの”これが許されないならイスラム風刺だって許されないだろう?”という中東側から挑発でもあるし、風刺表現について考えるようなものでもあるよね。暴力による報復よりもよっぽど面白い試みだと思う。サイレントなのもあるし台詞ありのもある。基本的に欧米というより、いすらえるやゆだや人への怨みに満ちている気もする。サイレント漫画が一番効果的なのはやっぱり風刺画、という気もしてくる。