東方同人誌感想とか書いてみよう 601冊目
雨山電信社さんの『THE WORLD IS NOT ENOUGH』
届かぬ空を
嘆いた夜なら
何度あった
ことだろう
世界の悪意を
呪った朝(あした)が
何度あった
ことだろう?
いつも考えていた
命が生まれ そして
消えてゆくその意味を
喰らい合い 争いあい
いつか滅び行く そんな
我等が生まれた価値を
家を 里を 自らを
人たるための全てを棄て
世界の秘密を暴く刃を
ただひたすらに
祈るように研ぎ続けた
そうしたお前の手には
一体何が残された?
人たるこの身の悲しさと
あきらめの他に
一体何が手に入った?
いびつな心といびつな体を
抱えたままで
夜の果てへと飛び続け
一体どんな景色が
お前を待っていた?
かみさま かみさま
どうして いきることは
ゲーム では
ありませんか?
なぜ しんだものは
コンティニューされませんか?
なぜ すべてリセットで
やりなおせないのですか?
かみさま
最近になって人間の里の領土に蟲達が侵入してくるようになっている世界。
その裏ではリグルが蟲達を集めて世界に新しい秩序をもたらそうとしていて…。
『RAINMAKER』で感想を書いたら次はやっぱりこれの感想を書かないとって思いますよね。『RAINMAKER』は東方の世界観をある程度は残しつつ、そこに作者なりの世界観をほどよく混じらせきちんと”東方の世界観前提でのれいまり”が描かれている作品で、こちらはそういう原作準拠な部分と自分なりの解釈の部分の程良いバランス、というのを無視してひたすら作者の好きなネタを東方にぶちこんだような話。
ナウシカは入っているわは攻殻は入っているわ、でかなりごったまぜになっている。もう原作要素ほとんどないよね…ってくらい思い切りいろいろなものを詰め込むこのやり方は読むのが疲れるものの面白いんだよね。結構シリアスな話のクライマックス部分をオリキャラと魔理沙の対戦に普通はしないだろうに。でも、ここが滅法面白かったりする。
あと一瞬この本は『RAINMAKER』の時系列の後の話なんじゃないのかな…。って思える構成になっているけど霊夢の性格がかなり違っているので平行世界の話。って解釈した方がすっきりするような。どうしても無理矢理関連ずけたくなるよね。