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プラティスラヴァ世界絵本原画展レポート たぶんその1

今日休みなので紺珠伝ずっとやってよう。。。と思ったけどそういや絵本原画展いけるの今日しかないんじゃ…と思ったので行ってきました。

 

ブラティスラヴァ世界絵本原画展 - Wikipedia

BIBIANA site: Bienále ilustrácií Bratislava

http://www.uam.urawa.saitama.jp/BIB24th%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7%E8%A1%A8.jpg

 

 

絵本に対して送られるBIBという賞(実験的なものが割と多い気がする)の受賞作品を中心に世界中の絵本を610円で手にとって読める。という企画展。『西瓜糖の日々』にイラストつけた本の存在を知って調べてみたらちょうと近くで展示をやってたので行ってきました。

 

ブックデザイン展なんかもそうだけど、展示作品を手にとって読めるのはいいよね。絵本なので日本語じゃなくてもあまり問題はないよ(あとブックデザイン展と同様にあとでネットで調べても出てきにくい本が多い…一体どこからこういう本を見つけてくるのだろう…)。以下気になった本

 

・Every Laube and Nina Wehrleの『Die Grosse Flut(大洪水)

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ノアの方舟をモチーフにした絵本。鉛筆画で独特な解釈をした描き方をしているし、結構独特な装填をしている本。これはホームページを見た方がわかりやすいね。

Die Grosse Flut : it's raining elephants

 

ホームページには他にもマッチ箱くらいの大きさで装填された本(この本は展示にも置いてあった)だったりメモ帳っぽいものにそのまま作品を載せた本だったりが載っていて絵本作家というよりはアーティストっぽい。

Sunrise : it's raining elephants

 

・はじまのぶひこ『きこえる?』

きこえる? (日本傑作絵本シリーズ)

きこえる? (日本傑作絵本シリーズ)

 

 シンプルな絵、シンプルな文章の中で何かが聞こえてきそうな構成になっていて良いよ。

 

・郁蓉.『云朵一样的八哥(雲みたいな九官鳥)』

云朵一样的八哥_百度百科

 本の紹介リンクが百度くらいしか見つからなかった。。切り絵とドローイングを違和感なく融合させた絵本。人間も九官鳥も生き生きとしている。

 

 きくちちき『しろねこ くろねこ』

しろねこくろねこ

しろねこくろねこ

 

 墨絵でしろねことくろねこが主人公の話を描いた絵本。

この本に描かれている”いい話っぽさ”はひねくれものの自分は好きにはなれないのだけども、それを差し引いても猫の描き方が素敵。でもちょっと買うとしたら高いよね。。

 

・Irma Bastida Herrera『La lectura. Elogio del libro y alabanza del placer de leer

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読書についてのエッセイ集。とはいえエッセイ部分は読んでも意味がわからないので絵だけを見る。元々”文章は無視して絵のところだけで評価する賞”みたいだしね。

”読書”についていろいろな形で描かれた部分はこれだけでも面白い。ネットで全編公開していたので違法サイトなんじゃないのかな?と思ったけども近代デジタルライブラリーみたいなところっぽいし一応リンクを貼っておきます。pdf注意

http://ceape.edomex.gob.mx/sites/ceape.edomex.gob.mx/files/La%20Lectura.pdf

 

・Stella Dreis『Grimms Märchenreise, Ein Wimmelbuch (グリム童話の旅 さがし絵)』

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グリム童話の中から「白雪姫」「ブレーメンの音楽隊」「七羽のからす」「ホレおばさん」「長靴をはいた猫」「ヘンゼルとグレーテル」「狼と七匹の子ヤギ」をモチーフにして、”キャラクターを探す絵本””個々の作品を繋げる”といった事をしている本。

作者ホームページにサンプルがあるよ。

Grimms Märchenreise | Stella Dreis Illustration

 

・Daniela Olejníková『V melónovom cukre(西瓜糖の日々)』

www.martinus.sk

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ブローティガンの『西瓜糖の日々』にイラストをつけた本。『西瓜糖の日々』はイメージを各々の想像に任せるような傑作だと思っているので”それにわざわざイラストをつける”という発想がなかった。

一応サンプルはネットに置いてあるもののこれを全部読みたくて行ったよ。このイメージが自分とイメージと重なっているかどうかについてはコメントしないけども(そういう事を語る作品じゃないよね?)、文字まで手で全部描いているという『西瓜糖の日々』が好きじゃなければできないような執念の装填は見る価値があると思う。

 

・Maria de los Angeles『Cosmogonías / Mitos chilenos del origen del mundo(宇宙の始まり 世界の起源についてのチリの神話)』

http://mangelesvargas-books.tumblr.com/post/72736886315/cosmogonías-mitos-chilenos-del-origen-del

mangelesvargas-books.tumblr.com

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7つ(解説含めれば8つ)の本が全部揃って初めて1冊の本として成立する。ってそれだけでなんかいいよね。こういった装填なので手にとって読む事は出来なかったけどもサンプルがちょこっとある。チリの神話についての本みたい。

 

・Wen Hsu-Chen『El cuento fantasma(まぼろしのおはなし)』

まぼろしのおはなし WORLDLIBRARY

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図書館で誰にも読まれていない本と少女の話、白を基調としているような絵の中に少しだけ色彩鮮やかな絵が入っていきその混じらせ方が素敵な本。

 

이기훈『양철곰 (ブリキのくま)』

싸니까 믿으니까 인터파크도서

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図録には原語表記が載ってないので探すのが苦労する…。近未来のソウル、乱開発により宇宙へ脱出する人々、そこに残された巨大のブリキのくまが人間を見届けて新たな生命を見出していく(言葉がよくわからないけどもたぶんこんな話)。といった部分部分はどこかで 見たような話を緻密な絵柄で飽きなく楽しませてくる。

これ全く台詞がなくて(一応絵の中に韓国語表記はある)、ちょっと解説つけた日本語版を出しても通用しそうだし、サイレント漫画として読んでも傑作なんじゃないのかな。。話の流れはシンプルに描かれているしこどもが選ぶ審査員賞をとったのもうなずける。

 

・井上洋介『馬の草子』

福音館書店|こどものとも年中向き 2012年1月号

 

その上を歩くと顔が馬になる橋、そこを渡り終えると普通の姿に戻る。というナンセンスなあらすじの絵本。おかしな設定に見合った絵なので良いよ。

 

・Camille Perrochet『The man with the Big General Notions(大層な一般概念を持つ男)』

The Man with the Big General Notions

 

ロバート・ラックスの同名の詩(たぶん翻訳はない?あったら教えて)をモチーフにした絵本。”なぜ眠りのためにベッドを買わないといけないのか?”などと一般概念を疑っていく自意識過剰な男が破滅にいたる物語。っぽいけども絵がかなり独自の解釈でできているのでやっぱり元の文章ありきな本だとも思う…一応ニューヨーカーサイトで元の作品を買う事は出来るけども…。

The man with the big general notions (A Fable) - The New Yorker

 

・Albeetine『Les Gratte-Ciel(摩天楼)』

Albertine

www.amazon.co.jp

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隣人同士が互いを出し抜くために家を巨大化させていく。その様子はバベルの塔さながらで細かいところに風刺が効いている。貼った画像は作者ページにあったサンプル。これを動画化したのがYouTubeにあがっていてこれも面白い。

www.youtube.com

 

 

…全部書ききれなかったのでまたあとで続きを書くかも。たぶん。