東方同人誌感想とか書いてみよう 467冊目
INNOCENT WORKSさんの『KEMURI side-A、B』
廊下で出会った小悪魔に疲れ気味なところを白状した咲夜さん。すると小悪魔は不思議な休憩場所を示しそこへ咲夜さんが行く。そこで咲夜さんは被告Sとして謎の裁判にかけられ死刑の判決を受けそうになり…
これ、誰か感想書いてないのかな…と思って調べても感想が見つからない…こういう本の感想を誰かがちょっとでも書かないと…と勝手に思っているので東方同人誌感想とか続けているわけだけども、まぁそれはどうでもいいね…。
「不思議の国のアリス」、あるいは「S・カルマ氏の犯罪」的な不条理な裁判、を幻想郷の世界観で描こうとして、しかもそれに説得力を持たせている作品。
(たぶん)夢の世界で”人間であるだけ”で死刑を宣告させる世界、そこから咲夜さんを抜けさせようと導くもの、抜けさせまいとする世界。
単純に全てを意味が通じない不条理漫画と解釈してしまっても(side-Aの方はそう楽しめるようになっている気もする)、面白いのだけども、side-Bにおける幻想郷の解釈、咲夜さんが何故不条理な裁判にかけられたのか?という曖昧な答え、などからこの漫画を意味が通じるように強引に解釈しても面白いよ。
というわけでちょっとした自分なりの解釈
・結局なんで咲夜さんが裁判にかけられたのか?
たぶん、最初の小悪魔との時点からこれは夢の世界だったんだと思う。side-Bで”咲夜さんの狂気"だけが死刑にされたし、咲夜さんが前々から持っていた”狂気”をどうにか処理するために幻想郷の何らかのシステムが勝手に動いた。こういった狂気を他の人間は持っていないので、”咲夜さんだけ”が不条理裁判に遭った。とかいう強引な解釈…。
・なんでみんな妖夢、魔理沙、神奈子、香霖などそれっぽい姿をしているのか。
結局これは咲夜さんの頭のなかにあるイメージ、でしか表現されない世界だから。。じゃないのかな…。
一応この夢の世界のキャラクターはこの夢の世界での論理で行動をしているので全てが咲夜さんの頭のなかの世界ではないはず。でも姿だけは誰かのイメージを借りないと現す事が出来ない…。いや、作中にこんな事一切書いてなかったけども…。
・この不条理裁判の世界は何だったのか?
幻想郷では形あるもの、だけが辿り着くわけではない。という作中の台詞。
形ないもの、当たり前とは違うものが辿り着いた裏側の幻想郷、普段は隠されている世界。そんな舞台じゃないのかな…。理想的な幻想郷のシステムを維持するためには、たぶん誰かが犠牲にならないといけなかった。それが今回咲夜さんだった。というだけでは…。
・なんで咲夜さんは助かったのか?
たぶん”助かる事が前提”での裁判、判決だったのでは。”咲夜さんの狂気”という曖昧なものは死刑にされているわけで、それさえ死刑にしてしまえば残りが生きていようとも関係がない。むしろ残り部分を生かして返さないと意味がなくなってしまう…。たぶん。