東方同人誌感想とか書いてみよう 139冊目
ジロー日和さんの『回転する世界』
…私や妖怪共が
お前の周りに集まったのは
お前の人格に
惹かれたんじゃない
ただ巫女の力を持っていたから…
それだけだったよ
巫女の力を持って変わらない日常を過ごす、ような毎日に嫌気が差した霊夢は自らその力を捨ててしまう。その代償は空を飛べなくなるばかりではなく結界の歪みを引き起こし、周りの霊夢を見る目も変わってしまい…。
”力を無くなった霊夢”が幻想郷でどういう扱いを受けるのか、みたいな作品。で暗い。
早苗、レミリア&咲夜、魔理沙がそれぞれ霊夢に接する度に霊夢が受け止める現実はそれはそれは重苦しくて、みんな”霊夢”という人間を見てはいなかった。という事がこれでもかと繰り返される。それを受け止めきれない霊夢がした選択肢は…
これ最後は”霊夢の想像とは違ってこの世界は現実”って解釈をとりたい。
根拠がはっきりと描かれているわけではないけれども、”霊夢がああいった選択を取る=結界の崩壊”と思い込んでいるのは霊夢だけで、別に最後のような行動をとったところで何も変化はしない。だからこそ紫は”ああいった選択をしない未来”も霊夢に提示したわけで。どっちの行動を取ろうとも霊夢にとって罰になるし大きな救いがない。片方だけ大きな救いがあるのがおかしい。みたいなのがこの解釈の理由です。