東方同人誌感想とか書いてみよう 108冊目
ヘルメットが直せませんさんの『ピースフルワールド』
平和、を享受している幻想郷。一方外の世界では…
…これ感想をちゃんと書くとすると話の内容に突っ込まないといけないし、それをやるとネタバレになるしで…。とりあえず下にネタバレっぽい感想
以下 ネタバレっぽいもの(反転させて読んでね)
平和な幻想郷の外では、地球上の人類が(ほぼ)滅亡して一部の人類が地球を脱出し宇宙船の中でテラフォーミングを行っている。ってのが最初読んだ時の印象だったのだけどこれじゃ『鳥船遺跡』となんか合わない気がしてくるような…結局作品の時期がいつなのかはっきりと説明していない事からいろいろな解釈が出てくる作品でこういうのはいいよね。まぁ『鳥船遺跡』の他の文も読まないと分からないような作品になっている気もするけど…(そうでもない?)。
作品の解釈でポイントとなりそうなところは
・多くのキャラが口にする「平和だ」という台詞
ぬえ、マミゾウ、聖、慧音、村人、小町、そして最後の台詞で「平和」に言及される。
・紅魔館の妖精メイドの台詞
「(市場で塩が)だぶついているんです
塩の供給先は外の世界なので塩が幻想になったかさもなくば逆に外で余った塩が大量に持ち込まれたか…」
・『鳥船遺跡』からの引用
”トリフネには最適化された生態系を乗せていた。限られたエリアだ
けで完結する生態系の実験の為である。その目標はテラフォーミング
の実現だ。
それも火星や金星などではない。そんな物はSFの世界の話だ。
テラフォーミングの対象として目されていたのは、地球である。”
・紫がレミリアに言った台詞
「私が外の世界はこうなりました。──たとえば「世界はすでに滅亡していて塩の広がる荒野です」と説明したとして外へ戻る気のない貴女にそれを証明する手立てはあるのかしら?」
+各ページの絵。っていう感じ。だと思う。
とりあえず2種類の解釈を提示しておきます。
・紫が言った事が本当で『鳥船遺跡』以後の時系列っていう解釈(世界は滅亡している)
最後から1コマ前の地球の絵柄。日本が見えるもののところどころにクレーターっぽいものもあって、”海”を描写しているようには見えない。隕石衝突かなんかで海がなくなる程の大変異が起き、”向こうの世界で塩がなくなり幻想郷に塩が来た理由”もこれで説明できる。「平和だ」っていう台詞は外の世界で人がいなくなった事により”幻想入りするもの”もなくなりそれによる異変すら起きなくなったので結局「平和」になっている。トリフネも幻想入りしたので幻想郷から見る事が出来る。
そしてこんな地球になるためには多大な年月を必要とするはず。よって紫の言った事は本当。
最後の台詞はトリフネをぼーっと眺めているぬえの台詞
・紫が言った事は嘘で『鳥船遺跡』とほぼ同じ時系列っていう解釈(世界は滅亡していない)
『鳥船遺跡』の中ではトリフネ中の生態系はまだ機能している、という記述(”生命力の高い個体ばかり積んだからだろうか、人類の管理から 放たれた動植物は枯れること無く成長を続けていた。”)ものの、いくらなんでもそれ以上長く生態系、そしてトリフネという機械は持たないだろう。っていう解釈からこの幻想郷は『鳥船遺跡』と同じ時系列なんじゃないかっていう解釈。
妹紅やレミリアはともかく寿命がある慧音のようなキャラまで変わらずに幻想郷にいるところからも原作からあまり時間は立ってないのでは。
多くのキャラが「平和だ」と言っているところから全ての登場キャラにとって「平和」な幻想郷だと思ってしまいがちだけど少なくとも紫とレミリアは「平和」と口にしてはいない。これは最近ではないにしろレミリアや紫に関わるの何かしらの異変みたいなものがあって、だからこの2名は「平和だ」と口にしてはいない。そして異変というのは大抵外の世界から何かが来て起きるもの(違うのもあったけど)、外の世界で人類が存在するから”何かが来る”わけだし、もし人類が滅亡したとしたら塩以外のものも幻想入りしないとおかしいのでは。
最後の台詞は『鳥船遺跡』あたりの蓮メリの台詞(「平和だ」「ねえ」とわざわざ吹き出しを分けているあたり二人でしている会話として読む)。
最後の1コマ前の地球でクレーターっぽく見えてるものは雲で、人類はそのまま普通に生活している。トリフネは幻想入りしているわけではないけども”宇宙にあるものは幻想入りしなくてもたぶんそのまま幻想郷から見る事が出来る。(東方茨歌仙5巻120ページの霊夢の台詞”結界は常識の壁だからね 生きものとかそれに付随する道具とか結界はそういった物しか隔てないんだとか”からの解釈。霊夢達が行く事が出来た月と同じような扱い。)
よって紫が言った事は嘘。
幻想郷で塩がだぶついている理由については”何らかの技術で塩を大量に作りすぎて里で大量に余ったから”っていう感じで。なんか無理やりかなぁ。