山田花子回顧祭 ブックギャラリーポポタム
http://seirinkogeisha.sblo.jp/archives/20120210-1.html
少しでも世間から外れたところを生きてきた人間なら”思い出したくない記憶”ってのがあるはず。あの人に笑わたこと、なにげない一言に傷ついたこと、自分だけが疎外されてる感覚に陥ったこと。。そんななるべくなら(自分の過去を自虐しながら語りだしたくなる時でも)思い出したくないところをピンポイントに書いている。こんなところまで踏み込んで書く人は他にいない気がするので、山田花子の漫画を読んでいる間は他の人の漫画を薄っぺらく感じてしまう。山田花子の漫画はみていてすごく痛々しい。
別に狙ってこういうのを書いていたのではなくて彼女はこういう漫画しか書けなかったのではと思っている。こんな漫画しか書けなかったら精神的にきついだろうなぁと思ってしまう。やっぱりきつかったらしく僕が子どもの時くらいに彼女はビルから飛び降りている。なので僕は漫画(と自殺直前日記)でしか彼女を知らなかった。いつか彼女をもうちょっとだけ知りたいと思ってた回顧展がやると知ってさっそく行ってみました。
回顧展はかなりこじんまりしたスペースでやってました。
本人の直筆ノートやら蔵書・カセットやらが売ってて服とか小物が展示されていて、そこを囲むようにオマージュ漫画、本人の漫画がある。ファンならいろいろと思うところあるようないい展示でした。遺品とか売ってたら欲しくなるじゃないですか。。1冊だけ買っちゃいました。
覚えてる限りでは本はビートたけし、三島由紀夫(サド侯爵夫人、潮騒)、ヘッセ(デミアン)、横尾忠則(インドへ)、宝島。カセットはRCサセクション、ニナ・ハーゲン(こっちはちゃんとみてない。。)、とかそんなのでした。遺品に自分がすきなものがあるとなんか嬉しいようなかなしいようなそんな気分になりますね。
本人の遺品を売る、ってのは受け付けない人もいるかもしれない。でも、あれをだれも貰わないのなら捨ててごみになってしまうかもしれないんだからファンが持ってた方がいいのでは。って僕は思うよ。遺品はいる人がわりと買ってたので追加がない限りたぶんどんどん見られるものが減っていくはず。
- 作者: 山田花子
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2009/07
- メディア: コミック
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昔ほど”これは許せない”とかなくなってるけど、やっぱり一番許せないのは自分かな。業が深くて
いつの間にか山田花子がビルから飛び降りた時の年齢になってしまいました。あと1年余計に生きるだけで山田花子がみていなかった世界をみられる年齢になってしまいます。いやですね。